今年は立体的かつ大胆に石材を使用した施工例が上位を占めました。
なかでもグランプリの株式会社キリガヤガーデン事業部様の作品は「円形とスクエア型」「小端積みと野面積み」といった異なるタイプの石積みを左右に配置しながら、敷地内はゆるやかな連続性を帯び、美しく造形的な独自のエントランスが表現されています。100種類を超える樹木と下草を植えられているそうで、年月を経た自然な変化を楽しみたいお庭です。
また、近年人気の「ガビオン」はどれも石の質感を生かした美しい施工が印象的でした。自ら表札を製作・コーディネートした門柱は、ガビオンの本質でもある「柔軟で広がりのある意匠性」を存分に反映しつつ、デザイナーの思い入れの深さが表れた外構となっています。
木材やアイアン、植物などと相性がよいので、これからも住まいの雰囲気に合ったさまざまなガビオンが増えていくことを願っています。
最後になりましたが、個人様によるご応募ではその高い技術力に感服いたしました。自宅で過ごす時間が増えた今年は、初めてご自身で庭づくりをしようと思われた方も多かったようです。自然石の不均一さやあつかいにくさに苦労してもコツコツと作業を進め、完成とともに大きな達成感を感じられる様子が伝わりました。庭づくりを家族のメモリアルな時間として引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。

おしゃ楽